香取くらしの相談所

稲敷市の実家が空き家に?放置するリスクと適切な管理・対策方法

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この記事のポイント

Summary

  • 放置すると特定空家等に指定され固定資産税の優遇が外れる恐れがある
  • 老朽化や近隣トラブルは早めの管理で防ぎやすくなる
  • 相談窓口は稲敷市まちづくり推進課に一元化されている
  • 空き家バンクやリフォーム支援など公的制度を併用できる
  • 活用・解体・売却は状況に応じて比較検討するのが現実的

稲敷市に実家をお持ちの方の中には、相続や転居をきっかけに「このまま空き家にしておいてよいのだろうか」と気になっている方も多いのではないでしょうか。適切に管理されない状態が続き、特定空家等などとして勧告を受けると、固定資産税の住宅用地特例の対象から除外される場合があります。老朽化が進めば、近隣トラブルにつながる恐れもあります。この記事では、稲敷市で実家が空き家になった場合に起こりうるリスクをお伝えします。あわせて、まちづくり推進課への相談方法、空き家バンクやリフォーム支援制度の活用法、管理・売却・解体の選び方まで具体的にご紹介します。

稲敷市の「空家等」は、建築物またはこれに附属する工作物で、居住その他の使用がなされていないことが常態であるものと、その敷地を指します。売買や賃貸、管理、活用を検討する際は、建物の傷み具合や周辺の道路状況、隣家との距離まで実際に確認しておきましょう。


稲敷市の実家を空き家のまま放置すると起こる4つのリスク

実家を空き家のまま放置すると、税負担の増加から資産価値の低下まで、時間の経過とともに不利益が積み重なっていきます。

特定空家等に指定されると固定資産税の優遇がなくなる

稲敷市は平成28年9月に「稲敷市空家等対策の推進に関する条例」を制定し、適切に管理されていない空家等の所有者に助言・指導、勧告、命令などの措置を行っています。倒壊の危険や衛生上の有害性、景観の著しい悪化などが認められる空き家は「特定空家等」と判断されます。特定空家等または管理不全空家等について勧告を受けると、その敷地は固定資産税などの住宅用地特例の対象から除外されます。軽減されていた税額が本来の水準に戻り、税負担が増える可能性があります。特定空家等になる手前の段階から改善を促す仕組みもあるため、指摘を受けたら早めに対応することが重要です。

建物の老朽化で倒壊・火災・害虫発生のリスクが高まる

人の出入りがなくなった家屋は、換気不足による湿気やシロアリの発生、屋根や外壁の傷みが進みやすくなります。稲敷市の条例でも、放置すれば倒壊等の保安上の危険や衛生上有害な状態になるおそれのある空家等を問題視しているのです。台風をきっかけに屋根材が飛散したり、庭木が電線にかかったりすることも考えられます。

近隣トラブルや行政からの指導・勧告につながる

空家等の管理は、所有者や管理者が自らの責任で行うのが原則です。近隣で管理されていない空き家に困っている住民は市のまちづくり推進課へ相談できます。ただし庭木や雑草の越境、落ち葉の堆積を市が直接刈り取ることはなく、所有者との話し合いが基本です。片付けを後回しにしているうちに、苦情や行政指導という形で問題が表面化します。

資産価値が下がり売却や賃貸が難しくなる

屋根や外壁の傷みが進んだ家、あるいは相続登記が済んでいない家は、買い手側からすると手が出しづらい物件です。所有者が複数の相続人にまたがったまま名義変更をしていない、いわゆる相続未登記の状態や、建て替えができない再建築不可の土地は、その典型といえます。こうした物件は購入希望者がなかなか現れず、空き家バンクへの登録すら難しいケースがあるのです。時間が経つほど傷みや権利関係の複雑さは解消されず、むしろ悪化しやすい面があります。実家の今後を考えるなら、動くのは早いに越したことはありません。

空き家になった実家をどう管理する?定期管理の基本

こまめな管理を続けられれば劣化の進行を遅らせられますが、負担が大きいと感じたら早めに管理代行という選択肢も検討してみましょう。

最低限やるべき管理チェックリスト

空き家の管理で基本になる作業は、次のとおりです。

  • 室内の換気
  • 通水
  • 郵便物の整理
  • 庭木や雑草の手入れ
  • 外壁・屋根の目視確認

窓を開けて空気を入れ替えるだけでも、湿気やカビの発生を抑えられます。水道管の凍結や破損を防ぐには、少量でも定期的に水を流しておくことが有効です。台風や大雪のあとは、外から見える範囲だけでも屋根材のずれや塀の傾きがないか確認しておきましょう。

自分で管理する場合の頻度と作業内容

遠方に住んでいて頻繁に通えない場合でも、建物の状態や季節に応じて定期的に現地を訪れ、室内の換気と外周の点検を行うことが大切です。夏場は雑草の伸びが早く、近隣への影響を考えると草刈りの間隔を短くする必要が出てきます。冬場は水道管の凍結対策が必要になる場合があるなど、季節ごとに力を入れる作業は変わります。仕事や家庭の事情を抱えながら定期的な訪問を続けるのが難しい場合は、管理代行の利用も検討しましょう。

管理を代行してもらう方法(管理サービス・クラッソーネ連携)

稲敷市は2025年8月4日、株式会社クラッソーネと「稲敷市空き家の適正管理及び除却の促進に関する連携協定」を締結しました。不動産関連企業や専門家とつながる相談窓口が1つにまとまり、空き家の処分だけでなく利活用や売却を含めた出口戦略の相談を無料で受けられる体制です。問い合わせ先は0120-304-395(平日9時~18時)となっています。自分で通うのが難しい方は、こうした窓口を利用して管理の負担そのものを軽くする方法を検討してみてください。稲敷市の空き家をどう維持していくか迷っている方にとって、頼れる相談先の一つになります。

稲敷市の空き家対策制度と相談窓口を活用する

空き家に関する制度や支援は複数あるため、まずはまちづくり推進課に連絡すると相談先を整理しやすくなります。

空家等対策の相談先は「くらしの情報」まちづくり推進課

稲敷市で空き家の相談を受け付けているのは、市役所2階のまちづくり推進課空き家担当です(稲敷市犬塚1570番地1、電話029-892-2000)。特定空家等の指摘や管理不全空家等への指導、空き家バンクの登録相談も、ここで一元的に扱っています。窓口がひとつにまとまっているのはありがたい点で、制度の区分けが分かりにくいと感じたら、電話一本で状況を伝えてみるとよいでしょう。

稲敷市空き家バンク制度に登録して活用する道もある

稲敷市は平成28年4月から空き家バンク制度を運用しています。売却や賃貸を希望する空き家情報を公開し、移住希望者や住み替えを考える人に届ける仕組みです。主な助成制度は、次のとおりです。

制度

主な内容

空き家バンク成約奨励金

所有者等に5万円、購入者または賃借者に最大10万円

空き家リフォーム工事助成金

最大80万円

家財処分費助成金

最大10万円

2026年9月1日には株式会社アルバリンクとの包括連携協定も締結され、権利関係が複雑で登録が難しい物件も買取までワンストップで相談できる体制が案内されています。

若年夫婦世帯・三世代同居向けの住宅取得・リフォーム支援制度

実家を子世代が引き継いで住む場合に使える制度もあります。市内で新築住宅を取得した若年夫婦世帯・若年子育て世帯には、転入や三世代同居の条件が加わると最大140万円の助成金が交付されます。三世代同居や近居のためのリフォームなら最大30万円の補助が受けられ、転入を伴う場合は最大50万円まで引き上がるのです。建て替えずリフォームして同居する道を選ぶ場合も、確認しておきたい制度でしょう。

空き家を活用・売却する場合の選択肢を比較する

実家をどうするかは「貸す・壊す・売る」の3方向で考えると整理しやすく、状況に応じて相談先も変わってきます。

賃貸・リフォームして活かす選択肢

建物の状態が良好なら、空き家バンクに登録して賃貸に出す道があります。バンク経由の成約ならリフォーム工事助成金や家財処分費助成金の対象になり得るため、改修コストを抑えられます。三世代同居を前提に子世代が住む場合は、前章の補助制度と組み合わせるのが現実的でしょう。

解体して更地にする選択肢

老朽化が進み、修繕より解体が現実的な場合は更地化も選択肢です。稲敷市とクラッソーネの連携協定は「適正管理及び除却の促進」を目的の一つに掲げており、解体の相談窓口として使えます。市が提供する土地の価格査定や解体費用のシミュレーションを使えば、解体後の固定資産税の変化や売却時の収支をおおまかに把握できます。ただし傾斜地や前面道路との高低差、アスベスト除去が必要な物件などは費用が高くなる場合があるため、結果は目安とし正式な見積もりで確認してください。

不動産会社や買取サービス(アルバリンク連携)に相談して売却する選択肢

売却の際は、通常の不動産会社に加え、稲敷市が2026年9月1日に包括連携協定を結んだ株式会社アルバリンクへ相談する選択肢もあります。協定では、相続未登記や再建築不可物件など、空き家バンクへの登録が難しい物件について、買取までワンストップで対応する取組が案内されています。買取後の民泊・賃貸等への転用など、地域ニーズに合わせた利活用支援も協定の取組に含まれています。

相続した実家を売却する際は、被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例により、要件を満たせば譲渡所得から最高3,000万円を控除できます。ただし、2024年1月1日以後の譲渡で相続人が3人以上の場合は、控除額は1人あたり最高2,000万円です。対象となる家屋は昭和56年5月31日以前に建築されていることなどの要件があり、相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで、かつ令和9年12月31日までに売却することなども必要です。マイホームを売ったときの特例とは対象・要件が異なる別制度なので、自分のケースがどちらに当てはまるかは税務署や税理士に確認しておくと安心です。

まとめ

稲敷市に実家があり空き家になりそうな不安を抱えている方や、すでに空き家を抱えて対応に困っている方にとって、この記事の内容はきっと役立ちます。放置してしまうと、特定空家等への指定や固定資産税の優遇解除、老朽化による近隣トラブルにつながる恐れがあるためです。

一方で、稲敷市のまちづくり推進課への相談、空き家バンクへの登録、リフォーム支援制度の活用、解体や売却の検討など、選べる道は複数用意されています。正直なところ、選択肢が多いからこそ「どれが自分に合うのか」で迷ってしまう方も少なくないでしょう。だからこそ、まずは自分の実家がどの選択肢に合うのかを整理してみてください。そのうえで、まちづくり推進課や関連窓口に問い合わせてみることから始めてみましょう。

結論が固まっていない段階でも、相談自体は可能です。

※掲載内容は執筆時点の情報です。最新情報は各自治体・関係機関の公式ホームページをご確認ください。

出典

  1. 稲敷市空き家バンク | 稲敷市公式ホームページ — https://www.city.inashiki.lg.jp/page/page004257.html
  2. 空家等対策について | 稲敷市公式ホームページ — https://www.city.inashiki.lg.jp/page/page005247.html
  3. 土地の価格査定や解体費用のシミュレーションができます。 | 稲敷市公式ホームページ — https://www.city.inashiki.lg.jp/sp/page/page010662.html
  4. 各課紹介 | 稲敷市公式ホームページ — https://www.city.inashiki.lg.jp/section.php?code=92
  5. 空き家所有者の方へ。稲敷市空き家バンクに登録してみませんか? | 稲敷市公式ホームページ — https://www.city.inashiki.lg.jp/page/page007674.html
  6. 空き家対策無料セミナー&無料相談会を開催します! | 稲敷市公式ホームページ — https://www.city.inashiki.lg.jp/page/page011428.html

株式会社アルバリンクと「空き家の流通促進に関する包括連携協定」を締結しました。 | 稲敷市公式ホームページ — https://www.city.inashiki.lg.jp/page/page011510.html


よくある質問

FAQ

  • 稲敷市でいう「空家等」とはどのような建物を指しますか?

    稲敷市の空家等対策でいう「空家等」は、建築物またはこれに附属する工作物で、居住その他の使用がなされていないことが常態であるものと、その敷地を指します。一方、稲敷市空き家バンクでは、現に使用されていない個人所有の建物に加え、近く使用されなくなる予定のものも制度上の「空き家」に含まれます。


  • 「特定空家等」に指定されるとどうなりますか。固定資産税は本当に上がりますか?

    特定空家等は、倒壊のおそれや衛生上の有害性、著しい景観の悪化などがあり、放置が不適切と認められる空家を指します。市から勧告を受けると、その敷地は固定資産税等の住宅用地特例の対象から除外され、税負担が増える可能性があります。また、特定空家等になるおそれが大きい「管理不全空家等」も、指導後に改善されず勧告を受けた場合は住宅用地特例の対象から除外されます。


  • 稲敷市空き家バンクに登録するにはどうすればよいですか?

    市内にある個人所有の空き家で、現に使用されていない物件が対象で、売却・賃貸のどちらの登録も可能です。ただし賃貸・分譲目的の建物や特定空家等、都市計画法上の制限がある物件などは登録できません。相談・申込みの窓口は稲敷市役所のまちづくり推進課(電話029-892-2000)です。


  • 稲敷市が実施している解体費用や土地の価格査定のシミュレーションとはどんなサービスですか?

    「稲敷市版 すまいの終活ナビ」では、実家や空き家の解体費用の概算相場や、解体後の土地売却査定の目安をオンラインで確認できます。ただし傾斜地や前面道路との高低差、アスベスト除去が必要な物件などは費用が大幅に高くなる場合があり、実際の見積額とは差が生じる点に注意が必要です。固定資産税シミュレーターや空き家の迷惑度診断も同じページから利用できます。


  • 実家の空き家管理を自分で続けるのが難しい場合、誰に相談すればよいですか?

    稲敷市はクラッソーネと連携協定を結んでおり、管理・利活用・売却まで含めた相談を無料の窓口(0120-304-395、平日9時〜18時)で受け付けています。権利関係が複雑な相続未登記物件や再建築不可物件などは、アルバリンクとの連携協定により買取・再販の相談も可能です。まずはまちづくり推進課(029-892-2000)に問い合わせると、状況に応じた窓口を案内してもらえます。


監修者

藤森 天雄(ふじもりたかお)の写真

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藤森 天雄(ふじもりたかお)

有限会社藤森不動産 代表取締役

宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士

千葉県香取市で、地域密着型の不動産の売買・賃貸・空き家相談を行う(有)藤森不動産の代表を務める。地域の空き家問題に寄り添い数多くの案件を解決した。

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